RouteMagic Server
RouteMagic Server (RMS) version 4 は、ユーザインターフェースを一新し、ルータやサーバなどのネットワーク機器のログ取得・閲覧・管理者の監査ログ機能・権限管理機能を大幅に強化しました。また、新たにレポーティング機能も追加して、ネットワーク運用管理の「可視化」「自動化」「予防保守」に役立つ機能を提供します。
RMS 4 の新機能
RMS 4 では、前バージョンから次の機能を強化しました。
ユーザ権限管理機能
RMS ログインユーザの権限管理機能を大幅に強化しました。
ユーザが RMS 上で行うことができる操作(各画面へのアクセスやデータ更新・削除など)を装置グループごとや各機能ごとに制限することが可能です。データベース管理システムで採用されているような「ロール」(権限をまとめたグループ的なもの)の考え方を取り入れ、権限設定作業の手間を軽減できるようにしています。
また、権限の可視化(各ユーザが RMS 上で具体的にどの権限が与えられているかを分かりやすく表示する)機能も搭載しています。
ログ監査機能
各画面へのアクセスやデータの更新、リモートコマンドの発行など、ユーザが RMS 上で行った操作のログを記録できます。
この機能により、RMS で「いつ」「誰が」「どこに(で)」何をしたか(何を見たか)」をいつでも確認することが可能になるため、ネットワーク管理組織における内部統制に活かすことができます。
レポーティング機能
RMS で管理される各種ログ(コンソールメッセージログ、操作ログ、装置イベントログ、コマンド発行ログ)の発生状況を月・年単位で集計し、グラフと表で表示することができます。
組織全体はもちろん、装置グループ・装置種別や装置ごとに絞り込んで集計することも可能です。日々のログ発生状況を確認していくことで、ネットワーク運用面での「予防保守」に役立てることができます。
装置コンフィグ管理機能
装置コンフィグ(装置の設定情報)の管理機能を強化しました。装置コンフィグは各装置ごとに 10 世代前まで管理することができ、特定の日時や世代の軸で区切って、その時点における一覧を表示することができます。
RMS 4 でコンフィグ情報として管理可能なデータは、各装置種別ごとのコンフィグ表示コマンドの結果となります。例えば、Cisco 社ルータ・スイッチの場合であれば、show startup-config コマンドの出力結果をコンフィグ情報として扱います。
リモートコマンド発行機能
RMS の Web 画面上から、RouteMagic Console Manager を経由して装置のコンソールポートにコマンドを発行することができます。RMS 4 では「リモートコマンド発行機能」として、前バージョンの「定石コマンド機能」を大幅に強化して使いやすくしました。
コマンドを用途別にグルーピングすることができ、各コマンドグループに任意のコマンド定義を追加することができます。また、権限管理機能により、ユーザごとに各コマンドグループの「コマンド定義の追加・編集」や「コマンド発行」に関する権限を設定することができます。
イベントトリガー機能
前バージョンでは、特定のコンソールメッセージログの発生数が指定したしきい値に達した場合や、管理対象装置や RouteMagic Console Manager の応答ステータス変化を検知した場合に、メール通知や SNMP トラップ送信を自動的に行う機能を搭載していました。
RMS 4 ではこの機能を強化し、より柔軟にトリガー条件やトリガーアクション(トリガー条件を満たした際に自動実行される機能)を設定できるようになりました。
主な機能と特徴
RMS 4 には次のような機能があります。
ログ管理機能 | コンソールメッセージログ、管理対象装置、RouteMagic Console Manager を経由したコンソール操作記録などのログを各機器ごとに分類して管理します。必要なログは RMS 画面からダウンロードも可能です。 |
装置コンフィグ管理 | 現在と 10 世代前までのコンフィグ情報 (*) を機器ごとに管理します。差分データの表示も可能です。 (*) Cisco 社ルータ・スイッチの場合であれば、show startup-config コマンドの出力結果をコンフィグ情報として扱います。 |
インシデント管理 | 特定のイベント(コンソールメッセージ受信など)の発生をインシデントとして管理し、対応状況の情報共有を支援するトラブルチケット管理機能を提供します。 |
障害対処のナレッジベース | 障害などのコンソールメッセージに対応する障害対処履歴を RMS 上にナレッジベースとして保存し、次回同様のコンソールメッセージが発生した場合に過去の対処履歴を合わせて表示することができます。 |
リモートコマンド発行機能 | 障害発生時の調査用コマンドなどの利用頻度が高いコマンドを RMS に記録しておき、Web ブラウザ上のボタン操作で管理対象装置へコマンドを発行することができます。障害対処の初動で迅速に対応できます。 |
レポート表示機能 | RMS で管理している各種ログ(コンソールメッセージログ、コマンド発行ログ)の発生数を年次・月次の単位で集計し、グラフと表で表示できます。 |
イベントトリガー機能 | コンソールメッセージログ受信や操作ログ受信などのイベントを監視し、指定された条件(しきい値)に達した場合に、対応するトリガーアクションを実行できます。「5 分間に○○というキーワードを含むコンソールメッセージを 3 回受信したらメールと SNMP トラップで通知」といった設定が可能です。 |
アカウント管理機能 | RMS を導入する組織とシステム利用者ごとにユーザアカウント管理が可能です。管理組織単位の機密性を維持できます。また、ユーザログイン認証において RADIUS 認証にも対応しました。 |
ユーザ権限管理機能 | ユーザが RMS 上で行うことができる操作(各画面へのアクセスやデータ更新・削除など)を装置グループごとや各機能ごとに制限することが可能です。 |
監査ログ機能 | RMS ログインユーザによる RMS 上の各画面へのアクセスやデータの更新、リモートコマンドの発行など、ユーザが RMS 上で行った操作のログを記録できます。 |
セキュリティ機能 | PGP や独自暗号方式 (RES) によるメール通信データの暗号化機能と、SSH による暗号化通信機能を装備し、機密性の高い情報のやり取りが可能です。 |
SNMP 連携機能(※) | 監視装置のステータス変化やログの発生状況を RMS から SNMP Trap 通知を行うことで、既存の SNMP Manager で構築した監視システムとの連携が可能になります。 ※SNMP トラップ送信機能を利用するには、「RouteMagic for SNMP Manager」ライセンスの追加登録が必要です。 |
RouteMagic Server 4 システム要件
製品名
RouteMagic Server version 4.5.0 |
ソフトウェア要件
OS | Red Hat Enterprise Linux 6.x – 32 bit 版 (i386) Red Hat Enterprise Linux 6.x – 64 bit 版 (x86_64) Red Hat Enterprise Linux 7.x – 64 bit 版 (x86_64) |
RDBMS | PostgreSQL |
MTA | Postfix |
Java | OpenJDK 1.8.0 (32 bit 版) |
ハードウェア要件
CPU | Pentium 4 2.4GHz 以上の IA32 プロセッサ (デュアルコア、マルチコアプロセッサを推奨) |
メモリ | 512MB 以上 (1GB 以上推奨) |
ハードディスク | 10GB 以上 |
※必要なハードウェア要件は、各 Linux ディストリビューション・バージョンによって異なります。詳細は、各 Linux ディストリビューションのマニュアルをご参照ください。
対応 RM-CM
RM-CM200, RM-CM1200, RM-CM400, RM-CM1250 (RouteMagic ソフトウェア 4.0.0 以上) |
管理対象装置
標準対応 | Cisco (ルータ、IOS スイッチ、スイッチ), Extreme, Foundry, NEC IP8800, Juniper, Netscreen, Solaris, Windows サーバ, Yamaha RTシリーズ, Force10 |
その他対応機器 | コンソールポート(RS-232C シリアルポート)を持ち、コマンドラインインタフェースに対応した装置 |