2024年11月27日ニュースリリース
AI潅水施肥システムのゼロアグリ、アスパラガス高畝栽培×スマート農業を実証するルートレックファームを長崎県壱岐市で開場〜今後栽培パッケージを新規就農者へ提供〜
株式会社ルートレック・ネットワークス(本社:神奈川県川崎市 代表取締役社長:佐々木伸一、以下当社)は、当社が開発するパイプハウス向けの環境制御システム「ゼロアグリ・シリーズ」を活用し、長崎県壱岐市に、アスパラガス高畝栽培×スマート農業を実証する自社圃場(以下、ルートレックファーム)を開場しました。今回、壱岐では初となるアスパラガスの高畝栽培となります。ルートレックファームは、農業資材の高騰への対応策として遊休ハウスを活用しており、初期導入コストを抑えたスマート農業の実証を通して、生産性の高い農業を実現することで、雇用創出やアスパラガスの売上拡大に貢献いたします。また、新規就農者が就農しやすいように栽培パッケージを今後展開し、農家の高齢化や後継者不足の課題解決にも貢献してまいります。
■当圃場における取り組み詳細
ルートレックファームは、長崎県壱岐市の石田に位置しています。社会情勢の変化から農業資材が高騰化していることとSDGsの観点から、遊休ハウスを修繕して再活用し、アスパラガスの複数品種を2024年3月に定植し、現在栽培実証中となっております。
ルートレックファームでは、当社製品のAI統合環境制御システム「ゼロアグリPlus」を導入し、潅水施肥の自動制御に加えて、地上部の谷換気や側窓の換気も自動制御しております。また、今後地温制御による収量拡大や品質向上にも取り組む予定です。栽培手法としては、従来の平畝栽培・散水型の潅水ではなく、身体にやさしい高畝栽培、および水ストレスが軽減できる点滴潅水を取り入れ、省力化と同時に高度な環境制御によるスマート農業に取り組んでいきます。これから継続的に栽培を行っていくことで、生産性の高い農業のパッケージ化の実現と販売を目指します。
長崎県壱岐市においては、農家の高齢化や担い手不足という課題を抱えており、収穫量の維持と拡大には新規就農者の参入が不可欠です。しかしながら、アスパラガスのハウス栽培はきめ細やかな水やり・施肥、防除、収穫作業等には長年の経験や人手による作業が必要となり、技術の習得に多くの時間を要することや身体的な負荷も非常に大きく、新規就農の妨げとなっています。そのため、データや自動化技術を活用した栽培の最適化や軽労化の実現が求められていました。
本取り組みにより、生産性の高い栽培手法をパッケージ化し展開する事により、新規就農者を呼び込み、アスパラガスの売上向上に貢献してまいります。また、様々な栽培方法の選択肢を農家に提供できるようにすることで、どのような状況でも自分のスタイルに合ったスマート農業を取り入れられるようになり、農家の高齢化や後継者不足の課題解決につながり、産地の継続にも貢献いたします。
■当社代表取締役佐々木のコメント
食料・農業・農村基本法が25年ぶりに改正されて、食料安全保障の確保と、環境と調和のとれた食料システムの実現には、スマート農業技術の活用と新規就農支援が不可欠です。しかし、昨今の社会情勢の変化は、農業生産資材の高騰化につながり、新規就農支援は大変重要な局面だと思います。ルートレックファームは、このような環境で、農業で起業した新規就農者の収支を向上させ、農業と環境の継続ができるカタチを創ることを目指して開場しました。今年度末には、気候変動にも適応可能な新たなファームを壱岐で建築する計画もあり、スマート農業で新しい農業の在り方を、引続き創出していきたいと思います。
■圃場見学の際のお問合せ先
以下リンクにてお問合せください。
https://www.zero-agri.jp/contact-2.html
■ゼロアグリシリーズについて
2013年に販売を開始したAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」は、2024年に累計出荷台数400台を超え、これまで多くの農業生産者の作業効率化や生産安定に貢献してまいりました。
ゼロアグリは、土壌センサーや日射情報から作物にとって最適な潅水、施肥量をAIが算出し、最適なタイミングで実行を行うスマート農業システムです。2024年7月には、既存のゼロアグリより、簡易的な機能でより低価格で潅水施肥制御を行うエントリーモデルの「ゼロアグリLite」、また、天窓・側窓の開閉やカーテン・循環扇・加温機・CO2施用機等の地上部の環境制御まで可能なハイエンドモデルの「ゼロアグリPlus」もリリースし、2025年1月よりゼロアグリシリーズの量産出荷を予定しております。
生産者は、経営状況や課題、実現したいことに合わせて、必要なモデルをゼロアグリシリーズから選ぶことができます。当社の技術のつよみでもある「IoT活用による遠隔管理・サポート」、「データのクラウド管理」、「ソフトウェアの継続アップデート」はすべてのモデルに共通しており、更なるデータ活用型精密農業への移行や、栽培規模の拡大など、営農状況に合わせて柔軟にアップグレードができるシステムで、スマート農業による営農活動を継続的にご活用いただくことが可能です。
ゼロアグリの導入作物実績:トマト、ミニトマト、キュウリ、イチゴ、アスパラガス、ピーマン、パプリカ、ナス、メロン、トルコギキョウ、ブドウ、ナシ、スイカ、マンゴー、レモン、ホウレンソウ、ニラ、イチジク、ブルーベリー、パイナップル
機能の詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.zero-agri.jp/product.html
■ルートレック・ネットワークスについて
当社は、2005年の創業以来培ってきたM2M/IoT技術を活用して、2010年 総務省 広域連携事業の「ICTを利活用した食の安心安全構築事業」に採択されたことを契機として、明治大学黒川農場との共同研究を開始し、2013年にスマート農業事業に本格参入しました。2018年には、第4回日本ベンチャー大賞(農業ベンチャー賞 農林水産大臣賞)を受賞、同年 経済産業省よりJ-Startup企業、内閣府官邸 先進的技術プロジェクト「Innovation Japan」にも選出されました。
本リリースにおけるお問合せ先
株式会社ルートレック・ネットワークス 広報担当 中島
TEL:044-819-4711 E-Mail:mktg@routrek.co.jp
※記載されている会社名、製品名などの固有名詞は、各社の登録商標または商標です。