2022年12月15日ニュースリリース

AI潅水施肥システムのゼロアグリ、化学肥料低減量とCO2排出量の見える化機能をリリース〜農業における脱炭素化に貢献〜

株式会社ルートレック・ネットワークス(本社:神奈川県川崎市 代表取締役社長:佐々木伸一、以下当社)は、当社で開発・提供するAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」において、化学肥料の低減量とCO2排出量の見える化機能をリリースいたしましたので、お知らせいたします。

■概要

​世界の温室効果ガス排出量のうち、農業分野における水田、家畜、肥料などからの排出量は全体の1/4を占めていると言われています。国内においても農林水産省は、国内農業における持続可能な食料システムの構築に向け、「みどりの食料システム戦略」を策定し、 中長期的な観点から、調達、生産、加工 流通、消費の各段階の取組とカーボンニュートラル等の環境負荷軽減のイノベーションを推進しています。

AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」は、土壌のセンサ情報と気象情報を元に、作物の成長に必要としている最適な潅水量及び施肥量をクラウド内のAIが判断し、自律的に潅水と施肥を実行する地下部環境制御システムです。「ゼロアグリ」のAI施肥制御により、化学肥料の低減を行うことが可能となりますが、今回リリースした機能により施肥量、CO2排出量、減肥量の見える化が可能となりました。これにより、栽培者自身の環境への意識を高め、農業におけるカーボンニュートラル、SDGsに貢献する栽培を行うことが可能となります。

また、「ゼロアグリ」は、みどりの食料システム戦略の定める「2030年に化学肥料使用量の20%低減」に資する製品として、農林水産省が定める基盤確立事業実施計画の認定を受けており、みどり投資促進税制の対象機械となっています。

ゼロアグリについて:https://www.zero-agri.jp/

■機能概要

①施肥量の見える化

ゼロアグリは、いつどれだけ施肥したかをデータベースに蓄積しております。今回、各地の作物や作型における施肥基準を登録することで、実際の施肥量と施肥基準を比較した結果を定量的にグラフでも確認できるようになりました。また、前作のデータがあれば、前作の施肥量と比較した結果を見ることも可能です。平均施肥量から将来的に使用される施肥量を予測、グラフ上で確認することもできます。

②CO2排出量の見える化

上記の施肥量からCO₂排出量を自動計算し、施肥量によるCO₂排出量を見える化できるようになりました。施肥量と同様にCO₂排出量に関しても、慣行基準との比較、前作との比較、平均施肥量から将来発生するCO₂排出量の予測についてもグラフ上で確認することが可能です。

※CO2排出量の計算については、環境省・経済産業省が公表する「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス等の算定のための排出原単位データベース (ver.3.2)」に準拠して算出しています。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション, テーブル

自動的に生成された説明

■ゼロアグリの特徴

①AI施肥制御とAI潅水制御を同時に実現する、地下部環境制御システム

AI施肥制御

土壌センサで計測したEC(※1)の目標値を設定することで、AIが作物に必要な施肥量を自動で制御、供給をすることが可能になります。これにより多施肥(※2)を防ぎ、化学肥料の低減につなげることが可能です(青森県では施肥量比較で83%減肥、茨城県ではコスト比較で67%減肥の実績あり)。

※1肥料の成分である硝酸体窒素の量を示す指標となるもの

※2慣行栽培においては、栽培前に土に元肥を混ぜ、栽培中においても定期的に追肥を行う施肥方法が一般的ですが、この場合作物が吸収しきれなかった化学肥料がCO2を排出したり、潅水とともに地下水に流れ地下水汚染に繋がる可能性がありました。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション

中程度の精度で自動的に生成された説明

AI潅水制御

土壌センサと気象情報を元に作物に必要な潅水量をAIが算出し、手動では実現できない高精度な潅水を実現いたします。これにより、安定した土壌状態を作り、根域の水ストレスをなくすことで、作物の品質向上に貢献いたします。また、昨今の気候変動に伴い、猛暑日には作物が吸収をしやすいよう、液肥の濃度を自動制御する機能も提供しており、国内の持続可能な農業に貢献いたします。

② 栽培状況の見える化・リモート操作で 「農業に休日を!」

センサ情報や潅水・施肥の供給履歴、各系統における栽培データのレポートについては、パソコンやスマートフォンでいつでもどこでも見ることが可能です。また、データを元に、潅水量や施肥量の調整も、パソコンやスマートフォンで遠隔で操作できます。これまで現場に行かないと作業ができなかった潅水・施肥作業をリモート化することができ、農業管理者の効率化につなげることが可能です。

■導入実績

2015年より国内外への本格出荷を開始し、現在全国の農家・農業試験場にて累計330台以上導入いただいております。

導入都道府県実績(順不同):北海道、青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県、栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、神奈川県、東京都、千葉県、山梨県、長野県、新潟県、富山県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、奈良県、和歌山県、大阪府、兵庫県、鳥取県、岡山県、島根県、広島県、山口県、高知県、愛媛県、徳島県、香川県、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

導入作物実績:トマト、ミニトマト、キュウリ、イチゴ、アスパラガス、ピーマン、パプリカ、ナス、メロン、トルコギキョウ、ブドウ、ナシ、スイカ、マンゴー、レモン、ホウレンソウ

■ルートレック・ネットワークスについて

当社は、2005年の創業以来培ってきたM2M/IoT技術を基に、2010年 総務省 広域連携事業の「ICTを利活用した食の安心安全構築事業」を契機に、明治大学黒川農場との共同研究により、スマート農業事業に参入しました。2018年には、第4回日本ベンチャー大賞(農業ベンチャー賞 農林水産大臣賞)を受賞、同年 経済産業省よりJ-Startup企業、内閣府官邸 先進的技術プロジェクト「Innovation Japan」にも選出されました。

本リリースにおけるお問合せ先

株式会社ルートレック・ネットワークス 広報担当 中島

TEL:044-819-4711 E-Mail:mktg@routrek.co.jp

※記載されている会社名、製品名などの固有名詞は、各社の登録商標または商標です。

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