2022年4月26日ニュースリリース

AI潅水施肥システムのゼロアグリ、土耕栽培初のAI施肥制御機能をリリース

〜生産者の収益率向上に貢献〜

株式会社ルートレック・ネットワークス(本社:神奈川県川崎市 代表取締役社長:佐々木伸一、以下当社)の開発、提供するAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」において、国内初の土耕栽培において施肥量を自動制御する「AI施肥制御機能」をリリースいたしました。

■概要

日本の農業経営体の内訳は、未だ97%が家族経営(個人経営体)の生産者であり、労力が限られる中、少ないリソースでいかに収益を上げていくか、ということを考えていく必要があります。また農業年齢の高齢化等により、農業生産者1人あたりの経営面積は増加しており、省力化をしながら品質の高い栽培を実現する技術がより求められています(※1)。農業における潅水および施肥技術は、これまで生産者の経験と勘により行われてきた部分も大きく、作物の収量や品質に大きく影響することから、省力化や技術習得がしづらい領域です。ゼロアグリはこれまでAIによる潅水の自動化を提供してきましたが、施肥は、生産者が作物の状態を見ながら、自ら濃度を設定し運用する必要がありました。

AI施肥制御機能(以下、本機能)では、生産者は土壌センサーで計測したEC(※2)の目標値を設定するだけで、ゼロアグリのAIが施肥量を自動で制御し供給をすることが可能になります。これにより、土耕栽培における環境制御の高度化/自動化による収益向上を実現いたします。

また、昨今では多施肥による地下水汚染や温暖化効果ガスの排出も課題となっていますが、本機能を活用し必要最小限の施肥で栽培の最大化を行うことで、環境に優しい持続型の施設園芸栽培を実現いたします。

※1 2020年農業センサスより

※2 肥料の成分である硝酸体窒素の量を示す指標となるもの

目標EC値の設定画面

ゼロアグリ上のEC値グラフ

■導入生産者による実証結果

本機能をゼロアグリの導入をしている一部生産者に実際に使っていただき、作物の栽培管理の向上、および肥料の削減、作業の省力化に関して、効果があることを実証しています。

栃木県トマト栽培生産者コメント(栽培面積70a/家族経営)

  • 増益のために、「美味しいトマトが高く売れる時期にECを上げて食味を増やそう」とか「いまトマトが安いから味を落としてでも肥料消費量を抑えよう」といった、農業経営におけるコントロールが可能になる点が魅力。
  • 肥料を節約したいときにECを低めに設定して使っている。現状の本音では肥料が高くて野菜が安いので肥料消費量を最小限に抑えたい。

広島県トマト栽培生産者コメント(栽培面積50a/家族経営)

  • AI施肥制御機能の利用により、昨年比べ玉の肥大が良好になり、M玉よりL玉が増えた(単価の向上)。
  • トマトの成長の波に合わせて欲しいタイミングで、手間なく肥料を与えられるようになったことが大きなメリットで、結果トマトの生育にも良い影響を与えられている。
設置されたゼロアグリ
AI施肥制御で栽培されているトマト

■導入生産者による実証結果

センサー情報や気象情報を元に作物にとって最適な潅水量と施肥量をAIが判断し自動で供給することができる、IoT技術を活用した潅水施肥システムです。自動化による大幅な省力化、潅水施肥の安定による作物の収量および品質の向上、減肥効果等の実現が可能です。2015年より国内外への本格出荷を開始し、現在全国の農家・農業試験場にて累計300台以上導入いただいております

ゼロアグリ公式サイト:https://www.zero-agri.jp/

ゼロアグリの仕組み

■株式会社ルートレック・ネットワークスについて

当社は、2005年の創業以来培ってきたM2M/IoT技術を基に、2010年 総務省 広域連携事業の「ICTを利活用した食の安心安全構築事業」を契機に、明治大学黒川農場との共同研究により、スマート農業事業に参入しました。2018年には、第4回日本ベンチャー大賞(農業ベンチャー賞 農林水産大臣賞)を受賞、同年 経済産業省よりJ-Startup企業、内閣府官邸 先進的技術プロジェクト「Innovation Japan」にも選出、2022年には川崎市の「低CO2川崎ブランド」の大賞を受賞しました。

■ 本リリースに関するお問い合わせ

株式会社ルートレック・ネットワークス 広報担当 中島

TEL:044-819-4711 E-Mail:mktg@routrek.co.jp

※記載されている会社名、製品名などの固有名詞は、各社の登録商標または商標です。

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